感動をありがとう、ロン・ミュエク。





そうして無事に青森県十和田市現代美術館に着いた僕は、ここまで車に乗せてくれたおばさんにさよならを告げた。その五分後にさよならを告げたはずのおばさんの車が僕の前を通過したのは言うまでもない。あの、あまり親しくない部活の先輩と別れたあとまた会ってしまう、あの感じ。
そして今回の目的地である美術館。もちろん中は写真が撮れないんだけど、本当に素晴らしかった。のただ一言に尽きると思う。まず美術館の周りからすでに作品で溢れていた。そして美術館の中ももちろん素晴らしい。アートが好きな人には是非一度はいってほしい場所だった。個人的に素晴らしかったのは、ロン・ミュエクのスタンディングウーマン。栗林隆さんのザンプランド。他のも素晴らしいんだけどこの二つは秀逸だった気がする。そして一通り常設展がある館内を回ったあとに気付いた。なにやら僕が感銘を受けたアーティストの栗林隆さんの個展が特別展示室で行われてるらしい!これは行くしかないと思い、別料金を払い、受付のお姉さんが忙しそうにしていたため、「ご自由にお使い下さい」と書かれたおそらく作品別の説明をしてくれるであろうiPodを勝手に借り特別展示室へ向かった。今回たまたま行った場所で知る事の出来た、栗林隆さんというアーティスト。そこの特別展示室に行くと脚立と人間の頭が一つ入るくらいの、丸くくりぬかれた天井があるだけだった。その
作品とは、脚立を登りその穴から中、天井の裏を見
ると映像が映っていてそれを楽しむというもの。僕は脚立を登り中を覗いた。すると竜巻が起こるまでの映像が映り、顔のすぐ側には本物の水が張っていた。それが映像と音と合わさり、あたかも映像の中に居るように思わされた。すごいなと思った。僕は自分の感受性のほかに機械的な説明も欲しいなと思いiPodをつけイヤホンを耳にした。そして一つ目の作品なので、iPodの一番を押した。iPodが音を鳴らした。「このロン・ミュエクの」ん?それはさっきの常設展で見たやつだ。番号を間違えたみたいだったので二番を押した。「このジェニファースタインカンプの」
いやそれもさっきの!
何?ジェニファー何?!スタイン?!
いや誰?!!
もうあんまり覚えてないし!!
むしろさっきのなのか?!
えっ、何このiPod!!
僕はiPodを外し天井に開いた穴から顔を抜いた。すると美術館の受付にいたはずの小娘が焦った顔で脚立の上にいる僕を見上げていた。
小娘「すみません、そちら常設展のみの説明になってるんですよー汗」
小娘「だから、すみませんが返していただいてもよろしいですかー脇汗」
そういえば周りにはイヤホンをつけてる人はいなかった。
とにかく僕はあなたのパパじゃあるまいし、見上げないでほしかった。
もう!!
じゃぁ俺、周りから見たら、歌聴きながら人の作品見てる、ただの輩みたいになってたから!!
800円払って歌聴きながら個展入るなんて、俺ただのこの人のライバルじゃん!!
じゃん!!
そうエコーを聞かせながら僕は次の街へと向かった。
今日の失敗
美術館に行った感想が単調!
素晴らしいで片付けようとしてる!











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